103G59

次の文を読み、59~61の問いに答えよ。
62歳の女性。言動の変化を心配した家族に伴われて来院した。
現病歴:1週前に突然頭痛が出現し持続したため、自宅で休んでいた。今朝からぼんやりして話のつじつまが合わないことに家族が気付いた。
既往歴:30歳代から高血圧症で、降圧薬を服用中である。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:開眼しているが、名前と生年月日とが言えない。身長153 cm、体重50 kg。体温37.4 ℃。脈拍72/分、整。血圧148/88 mmHg。運動麻痺と感覚障害とを認めない。右眼瞼の挙上は不能である。右瞳孔は散大し、対光反射は消失し、正面視で右眼球は外転位である。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球290万、Hb 9.2 g/dL、Ht 26 %、白血球7,400、血小板17万。血液生化学所見:血糖101 mg/dL、総蛋白6.1 g/dL、アルブミン3.3 g/dL、尿素窒素11 mg/dL、クレアチニン0.5 mg/dL、AST 13 U/L、ALT 10 U/L、LD 184 U/L(基準176~353)、Na 143 mEq/L、K 3.3 mEq/L、Cl 102 mEq/L。CRP 3.0 mg/dL。
障害されているのはどれか。
視神経
動眼神経
滑車神経
外転神経
迷走神経

解答: b

103G59の解説

高齢女性に突然の頭痛を契機とした意識障害が出現している。高血圧の既往があり、くも膜下出血〈SAH〉が考えやすい。
a 視神経障害では視力障害をみる。対光反射消失はきたしうるも、眼瞼挙上不能、散瞳、眼球運動障害はみられない。
b 正しい。眼瞼挙上不能、散瞳、対光反射消失、眼球運動障害のすべてを説明できる脳神経だ。
c・d 眼球運動障害はきたしうるも、眼瞼挙上不能、散瞳、対光反射消失が説明つかない。
e 眼周辺の症候はみられない。

正答率:97%

テーマ:【長文1/3】くも膜下出血〈SAH〉で障害される脳神経

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし