103A57

83歳の女性。右上腹部痛を主訴に来院した。2日前から右上腹部痛が出現し持続している。意識は傾眠状態。体温38.1 ℃。血圧82/46 mmHg。眼球結膜に黄染を認める。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。右上腹部に圧痛を認める。血液所見:白血球18,600、プロトロンビン時間42 %(基準80~120)。血液生化学所見:総ビリルビン11.6 mg/dL、AST 478 U/L、ALT 355 U/L、LD 847 U/L(基準176~353)、ALP 554 U/L(基準115~359)、アミラーゼ127 U/L(基準37~160)。磁気共鳴胆管膵管像〈MRCP〉を別に示す。静脈路を確保し、抗菌薬の投与を開始した。
次に行う治療として最も適切なのはどれか。
経口胆石溶解療法
体外衝撃波結石破砕術〈ESWL〉
内視鏡的胆管ドレナージ
経皮経肝胆嚢ドレナージ
経皮経肝胆道鏡下切石術
腹腔鏡下胆嚢摘出術
胆管切開・切石術
胆管空腸吻合術

解答: c

103A57の解説

発熱、右上腹部痛、黄疸を認めCharcot3徴を呈している。MRCPでは総胆管結石を認めており、白血球の上昇と発熱を呈していることから、急性胆管炎と診断できる。更に本症例ではショック状態であり、意識障害も認めることからRaynolds5徴を満たすため、急性閉塞性化膿性胆管炎〈AOSC〉が疑われる。
a・b 胆嚢結石の治療法である。急性期では行わない。
c 正しい。まずは減黄を行う。
d・e 胆嚢管合流部位より中枢側の病態に有効。
f 胆嚢内結石の根治術である。現在胆嚢内に存在する結石は主訴と直接関連していないため、選択しない。
g・h 迅速性に欠ける手技であり、現時点では行う必要ない。

正答率:64%

テーマ:急性閉塞性化膿性胆管炎〈AOSC〉への対応

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