102I79

34歳の男性。酪農業。乾性咳と呼吸困難とを主訴に来院した。2か月前から昼間の農作業を終えると夕方から乾性咳が出現し始め、1週前から呼吸困難と37℃台の発熱とを伴うようになった。症状は作業をしない日曜日にはみられない。血液所見:赤沈26mm/1時間、白血球9,600(桿状核好中球4%、分葉核好中球44%、好酸球4%、好塩基球1%、単球5%、リンパ球42%)、血小板28万。血液生化学所見:IgG2,380mg/dL(基準960~1,960)、IgE 120 IU/mL(基準250未満)、AST 22 U/L、ALT 18 U/L、LD 282 U/L(基準176~353)。免疫学所見:CRP 3.2 mg/dL、CH50 28U/mL(基準30~40)。胸部エックス線写真でびまん性のすりガラス様陰影を認める。
原因を同定するために適切なのはどれか。
抗原吸入試験
沈降反応試験
皮膚プリック試験
リンパ球刺激試験
ヒスタミン遊離試験

解答: b

102I79の解説

乾性咳と呼吸困難を主訴とする34歳男性。酪農業に就いている。作業をしない日曜日には症状はみられないことから、仕事が関与していると考えられる。胸部エックス線写真でびまん性のすりガラス様陰影を認め、血液所見ではIgEの上昇は無く、白血球分画ではリンパ球が有意に上昇している。以上より、農夫肺として矛盾しない。農夫肺はIII型+IVアレルギーの機序で発症する。
a 抗原吸入試験は過敏性肺炎でも用いることもあるが、抗原吸入により重篤化することもあり、第一選択ではない。
b 正しい。III型アレルギー機序を有するため、沈降反応試験が陽性となる。
c 皮膚プリック試験はI型アレルギーに対する検査。
d リンパ球試験はIV型アレルギーに対する検査であり、薬剤アレルギーの場合に行うことがある。農夫肺に対しては用いない。
e ヒスタミン遊離試験はI型アレルギーに対する検査。

正答率:45%

テーマ:農夫肺の原因同定のための検査

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