102I75

28歳の男性。乾性咳、全身倦怠感および呼吸困難を主訴に来院した。2か月前から乾性咳と全身倦怠感とが出現し、1か月前から労作時に呼吸困難を感じるようになった。1週前に38.2℃の発熱があり呼吸困難が安静時でもみられるようになった。意識は清明。身長176cm、体重52kg。体温37.8℃。脈拍104/分、整。血圧104/64mmHg。顔面蒼白で口唇にチアノーゼを認める。血液所見:赤血球364万、Hb10.4g/dL、白血球13,200(桿状核好中球7%、分葉核好中球78%、好酸球3%、好塩基球1%、単球8%、リンパ球3%)、血小板26万。免疫学所見:CRP6.8mg/dL、Tリンパ球CD4/CD8比0.2(基準0.6~2.9)、β-D-グルカン26.0pg/mL(基準20以下)、寒冷凝集素陰性。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.42、PaO2 48Torr、PaCO2 32Torr。
呼吸困難の原因病原体として最も可能性の高いのはどれか。
トキソプラズマ
マイコプラズマ
クリプトコッカス
ニューモシスチス
サイトメガロウイルス

解答: d

102I75の解説

28歳男性が乾性咳、全身倦怠感および呼吸困難を主訴に来院した。低酸素血症を認め、リンパ球、特にCD4陽性Tリンパ球が低下している。β-D-グルカンが陽性であることからAIDSによる真菌感染症に罹患した状態と考える。β-D-グルカン陽性となる疾患としてはカンジダやアスペルギルス、ニューモシスチスの3つをまず思い浮かべよう。
a~c・e これらはβ-D-グルカンが陽性とならない。
d 正しい。ニューモシスチス感染症は日和見感染で、AIDSの指標疾患である。

正答率:77%

テーマ:ニューモシスチス肺炎の診断

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