102I65

32歳の女性。両下肢の筋肉痛としびれ感とを主訴に来院した。2週前から両下肢の症状が出現し、徐々に悪化した。2年前から気管支喘息と診断され治療中である。体温37.2℃。脈拍72/分、整。血圧110/64mmHg。胸部背面で軽度のwheezesを聴取し、下肢の筋力低下と下腿の感覚低下とを認める。血液所見:赤沈32mm/1時間、白血球12,400(桿状核好中球2%、分葉核好中球40%、好酸球29%、好塩基球1%、単球5%、リンパ球23%)、血小板44万。血液生化学所見:IgE 786IU/mL(基準250未満)、尿素窒素9.2mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、AST 22U/L、ALT 18U/L、CK 56U/L(基準40~200)。CRP4.2mg/dL。
この疾患で陽性になるのはどれか。
抗リン脂質抗体
抗糸球体基底膜抗体
抗ミトコンドリア抗体
抗アセチルコリン受容体抗体
抗好中球細胞質抗体〈ANCA〉

解答: e

102I65の解説

32歳女性の両下肢の筋肉痛としびれ感。気管支喘息の背景があり、好酸球29%・IgE 786IU/mlと上昇している。好酸球性多発血管炎性肉芽腫症〈EGPA〉〈アレルギー性肉芽腫性血管炎〉〈Churg-Strauss症候群〉を考えたい。
a 抗リン脂質抗体は抗リン脂質抗体症候群〈APS〉で陽性となる。
b 抗糸球体基底膜抗体はGoodpasture症候群で陽性となる。
c 抗ミトコンドリア抗体は原発性胆汁性胆管炎〈PBC〉で陽性となる。
d 抗アセチルコリン受容体抗体は重症筋無力症〈MG〉で陽性となる。
e 正しい。MPO-ANCAが陽性となる。

正答率:93%

テーマ:好酸球性多発血管炎性肉芽腫症〈EGPA〉〈アレルギー性肉芽腫性血管炎〉〈Churg-Strauss症候群〉の自己抗体

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