102I63

5歳の男児。呼吸困難を主訴に来院した。3歳から風邪を引いたときに咳嗽が長引いたり、ゼーゼーしたりすることが時々あった。昨日から透明な鼻汁と軽度の咳嗽とを認めていた。夕方から「息が苦しい」と言いだし、呼吸に伴ってヒューヒューという音が聞こえるようになった。意識は清明。身長105cm、体重16.5kg。体温36.8℃。呼吸数36/分。脈拍124/分、整。チアノーゼはない。咽頭に発赤を認めない。心音に異常を認めない。全肺野で気管支肺胞音は軽度に減弱し、呼気性のwheezesを聴取する。胸部エックス線写真を別に示す。
まず行うのはどれか。
β刺激薬吸入
鎮咳去痰薬内服
アミノフィリン静注
プロプラノロール静注
副腎皮質ステロイド薬静注

解答: a

102I63の解説

呼吸困難を主訴とする5歳男児。呼吸音は呼気時のwheezesを聴取する。胸部エックス線写真では両肺で肺炎像は認めないものの、透過性が亢進しており末梢気道の狭窄による含気量増加と考えられる。3歳から風邪を引いたときにゼーゼーしていることから気道過敏性、および可逆性が示唆される。以上より気管支喘息と考えられる。
a 正しい。気管支喘息の初期治療としては即効性のあるβ刺激薬の吸入である。
b 対症療法であり気管支喘息の治療とはならない。
c β刺激薬吸入でも症状が改善されない場合は考慮される。
d β遮断薬であり禁忌である。
e β刺激薬でも症状が改善しない重度の気管支喘息の場合に考慮される。

正答率:95%

テーマ:気管支喘息発作の治療

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