102I42

28歳の女性。月経異常と不妊とを主訴に来院した。初経は12歳で、月経周期は45~60日と不順であった。身長158cm、体重68kg。両側下肢に多毛を認める。内診で子宮は正常大。経腟超音波検査で両側の卵巣に直径10mm前後の小卵胞を多数認める。基礎体温は低温一相性。クロミフェンで排卵が認められない。血液生化学所見:LH 15.8mIU/mL(基準1.8~7.6)、FSH 6.8mIU/mL(基準5.2~14.4)、プロラクチン12.2ng/mL(基準15以下)、FT3 2.8pg/mL(基準2.5~4.5)、FT4 1.3ng/dL(基準0.8~2.2)、エストラジオール70pg/mL(基準25~75)、テストステロン52ng/dL(基準10~60)。子宮卵管造影と夫の精液検査とに異常を認めない。
治療薬はどれか。
抗甲状腺薬
ゴナドトロピン
GnRHアゴニスト
抗アンドロゲン薬
ブロモクリプチン

解答: b

102I42の解説

月経異常と不妊とがある28歳の女性である。月経周期は45~60日と不順であった。経腟超音波検査で両側の卵巣に直径10mm前後の小卵胞を多数認める。LH高値、FSH正常、テストステロン正常高値であることから、多嚢胞性卵巣症候群〈PCOS〉の診断となる。
a 甲状腺ホルモンは正常値であり、抗甲状腺薬は不要である。
b 正しい。クロミフェンで排卵が認められないため、ゴナドトロピンにて治療していく。
c GnRHアゴニストによってLHやFSH分泌を抑制することもあるが、今回の主訴は不妊であり、最も有用な治療薬という点でも正解は譲る。
d テストステロンは正常値であり、抗アンドロゲン薬は必要ない。
e プロラクチンは正常値であり、ブロモクリプチンによる抑制の適応とはならない。

正答率:65%

テーマ:多嚢胞性卵巣症候群〈PCOS〉の治療薬

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