102G50

19歳の女性。以前から心疾患のため外来に通院していた。日常の動作はできるが階段や坂を上ると息苦しくなった。2年前に少量の喀血があった。1か月前に受診したときの現症は、身長157cm、体重42kg。軽度のチアノーゼとばち指とを認めた。II音の亢進を認めたが、心雑音は聴取しなかった。呼吸音に異常を認めなかった。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しなかった。浮腫を認めなかった。この時の心電図(A)と胸部エックス線写真(B)とを別に示す。今朝、起床して洗顔をしている途中に倒れ、心肺停止状態で搬入された。蘇生術が行われたが死亡が確認された。
診断はどれか。
Eisenmenger症候群
QT延長症候群
WPW症候群
拡張型心筋症
完全房室ブロック

解答: a

102G50の解説

以前から心疾患により外来受診していた若年女性である。軽度のチアノーゼをみとめており、チアノーゼ性先天性心疾患が疑われる。AではI、aVF成分が陰性であることから極度軸偏位があり、Bでは肺動脈の拡大がみられる。起床時に倒れ心肺停止状態となったことから、長期の経過によって肺血圧が上昇し、右→左シャントを呈したことでEisenmenger症候群となったことがわかる。II音の亢進もおそらくIIpの亢進であり肺高血圧を示唆できる。
a 正しい。上記の通り。
b~e チアノーゼをみとめない先天性心疾患であり、臨床像も異なる。

正答率:75%

テーマ:Eisenmenger症候群の診断

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