102F16

48歳の男性。突然の意識障害のため搬入された。意識は昏睡状態。瞳孔は両側とも散大し、対光反射が消失していた。頭部単純CTでくも膜下出血と診断し、人工呼吸器による治療を続けたが、来院3日後に臨床的脳死状態と判定した。患者の家族と担当医との会話を以下に示す。
医師①「説明をお聞きになりたい家族の皆様はそろっていますか」
家 族「親戚は全員集まっています」
医師②「これまで最善と考えられる治療を行ってきました」
家 族「ありがとうございます」
医師③「残念ですが、今後、治療によって意識が戻る可能性はありません」
家 族「運命なので仕方ありません」
医師④「患者さんは意識が回復しないようなら安楽死を望んでいましたか」
家 族「よく分かりませんが、はっきりとは言っていませんでした」
医師⑤「患者さんは臓器提供意思表示カードをお持ちだったでしょうか」
家 族「運転免許証に貼ってあったように思いますので探してみます」
医師の発言で適切でないのはどれか。

解答: d

102F16の解説

a ①は家族が揃っているか否かを確認しており、発言として問題ない。
b ②はこれまで最善の治療を行ってきたことを述べており、発言として問題ない。
c ③は現代医療における事実を述べており、発言として問題はない。
d 誤り。④では「安楽死」という言葉に言及している。現在の日本では条件を定めた法律はない(許容要件についての判例はあり)。
e ⑤は臓器提供意思表示カードの所持を問うており、発言として問題はない。

正答率:84%

テーマ:臨床的脳死状態の判定後の患者家族への発言

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