102E64

次の文を読み、64~66の問いに答えよ。
75歳の男性。歩行時に右足が痛くなるため来院した。
現病歴:1か月前から、200m歩くと右下肢の大腿部と腓腹部とが重い感じに痛くなった。少し休むと痛みは軽快した。
既往歴:高血圧で内服薬を服用中。
生活歴:喫煙は20本/日を50年間。
現 症:身長170cm、体重78kg。脈拍72/分、整。血圧160/86mmHg。胸腹部に異常を認めない。右足背動脈拍動が減弱している。膝蓋腱反射とアキレス腱反射とは正常。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液生化学所見:空腹時血糖108mg/dL、HbA1c 5.0%(基準4.3~5.8)、総蛋白7.0g/dL、総コレステロール280mg/dL。
鑑別診断として考慮するのはどれか。2つ選べ
多発神経炎
脊柱管狭窄症
変形性膝関節症
深部静脈血栓症
閉塞性動脈硬化症

解答: b,e

102E64の解説

間歇性跛行を主訴とする75歳男性。間歇性跛行は主に血管性と神経性があり、足背動脈の触診が鑑別の参考となる。本症例では右足背動脈の触知が困難であり、血管性が考えられる。高血圧や長期の喫煙歴は動脈硬化の危険因子である。
a 多発神経炎の症状では休息で改善しない。
b 正しい。間欠性跛行の鑑別として必ず挙げるべき病態である。
c 変形性膝関節症では膝関節痛などを認める。
d 深部静脈血栓症〈DVT〉では、歩行時の痛みは少なく、下肢腫脹などが主症状である。
e 正しい。本症例で最も考えられる疾患である。

正答率:86%

テーマ:【長文1/3】間欠性跛行の鑑別疾患

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