102E43

60歳の男性。意識障害のため搬入された。3日前から排尿困難と38.0℃の発熱とを生じ、全身倦怠感を訴えていたが今朝から家人の呼びかけに応答しなくなった。5年前に糖尿病を指摘されたが放置していた。1年前に尿の出にくさを自覚し、近医を受診したところ残尿が40mLであった。意識は混濁。身長160cm。体温39.2℃。脈拍112/分、整。血圧66/40mmHg。四肢は温かい。直腸診で前立腺は軟らかく触れる。尿所見:蛋白2+、糖3+、潜血2+、沈渣に赤血球20~30/1視野、白血球100以上/1視野。血液所見:赤血球381万、Hb 11.5g/dL、白血球13,600、血小板36万。血液生化学所見:血糖320mg/dL、尿素窒素36.0mg/dL、クレアチニン3.2mg/dL。CRP 18.5mg/dL。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.30、PaO2 80Torr、PaCO2 35Torr、HCO3- 18mEq/L。直ちに末梢静脈から輸液を開始した。
次に行う対応として適切なのはどれか。2つ選べ
輸血
気管挿管
血液透析
抗菌薬投与
ドパミン投与

解答: d,e

102E43の解説

意識障害のため搬入された60歳男性。3日前から排尿困難と発熱を生じている。尿所見で沈査白血球が100以上/1視野であることから、尿路感染症が示唆される。糖尿病の既往は易感染性となり、感染の重症化をきたしやすくする。ショックバイタルであり、敗血症性ショックと診断する。
a 出血性ショックの際に投与する。Hb低下もなく不要。
b 動脈血ガスで低酸素血症はきたしていないため、気管挿管は不要。
c クレアチニンの上昇はみるものの自尿はまだあるため現時点では不要。
d 正しい。敗血症性ショックの原因である尿路感染症に対して抗菌薬投与を始める。
e 正しい。血圧低値であり、カテコラミンでのサポートを要する。

正答率:53%

テーマ:敗血症性ショックの治療

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