102D51

48歳の男性。1週前からの感冒症状後、尿が赤ぶどう酒色となったことを主訴に来院した。健康診断で5年前から尿潜血陽性を指摘されている。脈拍72/分、整。血圧110/62mmHg。尿所見:蛋白1+、糖(-)、沈渣に赤血球無数/1視野、白血球1~5/1視野。血液生化学所見:アルブミン4.0g/dL、尿素窒素18.0mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、尿酸5.8mg/dL、総コレステロール200mg/dL、Na 134mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 102mEq/L、Ca 9.0mg/dL。2か月後の腎生検で、軽度のメサンギウム増殖性糸球体腎炎であった。蛋白尿は0.2g/日、糸球体濾過値は140mL/分であった。
対応として適切なのはどれか。
水分摂取制限
生活指導と経過観察
利尿薬投与
免疫抑制薬投与
副腎皮質ステロイド薬パルス療法

解答: b

102D51の解説

1週前からの感冒症状後に血尿を生じた中年男性である。蛋白1+、アルブミン4.0g/dl、総コレステロール200mg/dlであることからネフローゼ症候群の診断基準を満たしていない。5年前から尿潜血陽性を指摘され、沈渣にて赤血球無数/1視野を認めていることから血尿がメインの症候である。2か月後の腎生検で、軽度のメサンギウム増殖性糸球体腎炎であったことから、感染を機に腎症状が出現したと考え、IgA腎症が疑われる。
a 尿素窒素18.0mg/dl、クレアチニン0.7mg/dl、蛋白尿0.2g/日、糸球体濾過値〈GFR〉は140ml/分より腎機能は正常であり、水分摂取制限は必要ない。
b 正しい。GFRも正常であり、生活指導と経過観察(定期的尿検査と血液検査)を行う。
c 利尿薬投与は著名な浮腫に対して行う。
d・e 免疫抑制薬投与や副腎皮質ステロイド薬パルス療法はネフローゼ症候群に対して行う。

正答率:73%

テーマ:IgA腎症への対応

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし