102D49

生後2か月の乳児。元気がないことと皮膚の黄染とを主訴に来院した。在胎40週3日、2,580gで出生した。母乳栄養である。3日前に鼻出血の痕に気付いたが様子を見ていた。2日前から哺乳力が低下した。身長56.4cm、体重4,980g。体温36.3℃。呼吸数66/分。心拍数136/分、整。大泉門の膨隆は認めない。眼球結膜に黄染を認める。瞳孔径左3mm、右2mm。心音と呼吸音とに異常を認めない。右肋骨弓下に肝を5cm触知する。脾は触知しない。血液所見:赤血球290万、Hb 7.5g/dL、白血球9,600、血小板32万、PT<6%(基準80~120)、APTT>180秒(基準対照32.2)。血液生化学所見:血糖70mg/dL、総ビリルビン17.4mg/dL、直接ビリルビン16.1mg/dL、AST 97U/L、ALT 67U/L、LD 822U/L(基準324~755)。頭部単純CTを別に示す。
直ちに行うのはどれか。
光線療法
交換輸血
利尿薬投与
ビタミンK投与
副腎皮質ステロイド薬投与

解答: d

102D49の解説

生後2か月乳児の黄疸と出血傾向。母乳栄養であり、PTとAPTTの異常があることよりビタミンK欠乏症が考えやすい。頭部CTでは頭蓋内出血をがみられている。
a 出生体重2,580gの生後2か月児で光線療法適応となる血中総ビリルビン値は18mg/dL以上。
b 出生体重2,580gの生後2か月児で交換輸血適応となる血中総ビリルビン値は25mg/dL以上。
c ビタミンK欠乏症に利尿薬は無効。
d 正しい。不足しているビタミンKを補う。
e ビタミンK欠乏症に副腎皮質ステロイド薬は無効。

正答率:87%

テーマ:ビタミンK欠乏症による脳出血に対して直ちに行うべきこと

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