102D48

24歳の男性。発熱と頸部腫瘤とを主訴に来院した。1か月前に左頸部の腫瘤に気付いた。そのころから時々37~38℃の発熱も出現した。その後腫瘤はやや増大傾向にあった。生来健康で喫煙、飲酒はしない。意識は清明。体温37.8℃。左頸部および鎖骨上窩に径2cm、表面平滑で圧痛のないリンパ節を2個、両側腋窩に径2cmのリンパ節を1個ずつ、右鼠径部に径1.5cmのリンパ節を1個触知する。左口蓋扁桃の腫大を認める。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球462万、Hb 14.2g/dL、Ht 43%、白血球12,000(桿状核好中球5%、分葉核好中球62%、好酸球8%、好塩基球1%、単球4%、リンパ球20%)、血小板26万。血液生化学所見:総蛋白7.3g/dL、アルブミン4.2g/dL、尿素窒素16.0mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、尿酸7.6mg/dL、総コレステロール120mg/dL、総ビリルビン0.8mg/dL、AST 45U/L、ALT 32U/L、LD 420U/L(基準176~353)。CRP 1.2mg/dL。胸部エックス線写真で両側肺門部に腫瘤影を認める。頸部リンパ節生検H-E染色標本を別に示す。
この患者の治療で適切なのはどれか。
放射線治療
抗結核薬投与
リツキシマブ投与
多剤併用抗癌化学療法
副腎皮質ステロイド薬パルス療法

解答: d

102D48の解説

若年男性の発熱と頸部腫瘤。画像ではHodgkin細胞とReed-Sternberg細胞とがみられ、Hodgkinリンパ腫の診断となる。胸部エックス線写真で両側肺門部に腫瘤影を認めているのは肺門部リンパ節腫脹である。横隔膜の上下に広がっていることからStage III以上と考えられる。
a 放射線治療が有用なのは限局性病変。本症例ではStage III以上に進行しているため、不適。
b 結核性リンパ節炎を疑った場合。
c B細胞性Non Hodgkinリンパ腫を疑った場合。
d 正しい。進行期Hodgkin病の第一選択である。
e 副腎皮質ステロイド薬はHodgkin病で一般的に多剤併用する抗癌剤に含まれていない。

正答率:74%

テーマ:Hodgkinリンパ腫の治療

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