102D35

58歳の男性。肝腫瘤の精査のため来院した。3年前に上行結腸癌で結腸右半切除術を受けた。腹部超音波検査で肝に孤立性腫瘤が初めて検出された。血液所見:赤血球385万、Hb 11.5g/dL、白血球4,200、血小板18万。血液生化学所見:総蛋白7.0g/dL、アルブミン4.6g/dL、総ビリルビン0.9mg/dL、AST 20U/L、ALT 28U/L、ALP 350U/L(基準260以下)、γ-GTP 48U/L(基準8~50)。免疫学所見:HBs抗原陰性、HCV抗体陰性、AFP 8ng/mL(基準20以下)、CEA 22ng/mL(基準5以下)。胸腹部CTで肝左葉に径6cmの腫瘤性病変を1個認めるが、肺を含めその他の臓器には異常を認めない。
対応として適切なのはどれか。
経過観察
経皮的エタノール注入療法
放射線治療
免疫療法
肝部分切除

解答: e

102D35の解説

3年前に上行結腸癌で結腸右半切除術後であり、肝左葉に径6cmの孤立性肝腫瘤を認める。CEAの上昇を認めることから転移性肝癌である。
a 根本治療を行う必要がある。
b 経皮的エタノール注入療法は径3cm以内で適応となる。
c 消化器癌の転移であり腺癌であるため、放射線感受性は低く不適切。
d 免疫療法は一般的な治療ではない。
e 正しい。肝外転移もなく、単発性であることから手術適応である。

正答率:90%

テーマ:大腸癌の肝転移への対応

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