102B48

34歳の3回経産婦。妊娠38週時に陣痛発来のため来院した。入院後、陣痛は次第に増強して、12時間後に3,210gの女児を経腟分娩した。分娩経過は順調であった。児娩出後15分を経過したが胎盤が娩出されない。子宮底は臍上2cmで、硬さは軟である。腟内に胎盤を触知しない。少量の性器出血が持続している。
まず行うのはどれか。
臍帯牽引
胎盤用手剥離
子宮底輪状マッサージ
胎盤鉗子による胎盤娩出
エルゴメトリン(麦角アルカロイド)投与

解答: c

102B48の解説

妊娠38週時に陣痛発来し、12時間後に3,210gの女児を経腟分娩した34歳の3回経産婦である。分娩経過は順調であったが、児娩出後15分を経過しても胎盤が娩出されない。子宮底は臍上2cmであり、少量の性器出血が持続していることから、弛緩出血を考える。
a 弛緩出血に有用ではなく、癒着胎盤であった場合に子宮内反を誘発する可能性があるため、臍帯牽引は禁忌である。
b 胎盤用手剥離は癒着胎盤に対する治療であるが、まずは弛緩出血に対応する。
c 正しい。弛緩出血に対し、子宮底輪状マッサージは有用である。
d 胎盤鉗子による胎盤娩出は人工妊娠中絶などで行うものであり、本例では子宮内反を誘発する恐れがあるため施行しない。
e エルゴメトリン(麦角アルカロイド)には強力な子宮収縮作用があるがリスクも多く、輪状マッサージ無効例や出血が多量な場合に慎重投与する。

正答率:71%

テーマ:弛緩出血への対応

フォーラムへ投稿

関連トピック