102A53

50歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。1か月前から咳嗽と労作時呼吸困難とが出現し、徐々に増悪した。3日前から顔面と上肢とに浮腫が出現した。胸部右側で呼吸音の減弱を認める。胸部エックス線写真を別に示す。経気管支擦過細胞診はクラスIVである。
考えられるのはどれか。
心不全
癌性リンパ管症
上大静脈症候群
Pancoast症候群
Lambert-Eaton症候群

解答: c

102A53の解説

呼吸困難を主訴とする50歳男性。3日前から顔面と上肢とに浮腫が出現したという。胸部エックス線写真では右第1弓の突出をみる。経気管支擦過細胞診はクラスIVであることから肺癌のリンパ節転移による上大静脈症候群を併発していると考えられる。
a 心不全では全身に浮腫をきたす。
b 癌性リンパ管症ではリンパ系の障害により肺間質に滲出液が貯留し、Kerley線がみられるはず。
c 正しい。上述の通り。
d Pancoast症候群ではHorner症候群や腕神経叢障害を呈するはず。
e Lambert-Eaton症候群は小細胞癌に合併することがあり、神経筋接合部障害をきたす病態。筋力低下などの症状の記載はなく否定的。

正答率:91%

テーマ:肺癌による上大静脈症候群の診断

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