102A52

20歳の女性。咳を主訴に来院した。3日前から乾性咳嗽が出現し、2日前から発熱、頭痛および前胸部痛があった。抗菌薬の投与を受けたが改善しなかった。18歳からアレルギー性鼻炎を指摘されている。10日前から喫煙を始めた。ペットは飼育していない。意識は清明。身長154cm、体重48kg。体温36.9℃。脈拍104/分、整。血圧120/80mmHg。胸部両側下部にcoarse cracklesを聴取する。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球394万、Hb 13.8g/dL、Ht 42%、白血球12,200(桿状核好中球12%、分葉核好中球24%、好酸球56%、単球1%、リンパ球7%)、血小板37万。気管支肺胞洗浄液中の好酸球が80%を占めている。胸部エックス線写真(A)と胸部単純CT(B)とを別に示す。
治療薬はどれか。
ST合剤
抗結核薬
抗ウイルス薬
副腎皮質ステロイド薬
非ステロイド性抗炎症薬

解答: d

102A52の解説

咳を主訴とする20歳女性。抗菌薬の投与で改善はしていない。血液所見では好酸球が上昇している。乾性咳嗽やcoarse cracklesを聴取することから気管支喘息は考えにくい。胸部エックス線写真(A)では両下肺野ですりガラス陰影を、胸部単純CT(B)では右胸水貯留、両肺でびまん性に浸潤影を認める。気管支肺胞洗浄液中の好酸球が25%を超えていることから急性好酸球性肺炎と診断する。10日前から喫煙をはじめたことが要因であろう。
a ST合剤はニューモシスチス肺炎で用いる。
b 抗結核薬は結核に対する治療法である。
c 抗ウイルス薬はウイルス性疾患に対する治療法である。
d 正しい。好酸球性肺炎に対してステロイドが奏功する。
e 非ステロイド性抗炎症薬は無効である。

正答率:97%

テーマ:急性好酸球性肺炎の治療薬

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