102A43

21歳の男性。難聴を主訴に来院した。10歳ころから両側難聴があったが原因不明と言われていた。3年前から両側難聴が進行し、昨年から補聴器を装用している。時々、浮動性めまいを自覚している。また、家族性腎炎の診断で7歳から透析を受けている。オージオグラムを別に示す。
考えられる疾患はどれか。
Alport症候群
Bartter症候群
Goodpasture症候群
Treacher Collins症候群
von Recklinghausen病

解答: a

102A43の解説

10年前より両側難聴となり昨年から補聴器使用の若年男性である。時々、浮動性めまいを自覚しており、内耳障害を示唆する。オージオグラムでは両側性に高音域での聴力低下があり、気骨導差がないことから両側性感音難聴と分かる。家族性腎炎の診断で7歳から透析を受けていることから、耳症状と腎症状をみる疾患としてAlport症候群の診断となる。
a 正しい。Alport症候群は男性では進行が早く、予後が悪い(30歳代までには末期腎不全となる)ことも本症例に合致する。
b Bartter症候群はヘンレ上行脚から NaCl が再吸収できず、RA 系が亢進し、続発性アルドステロン症を呈する病態であるが、透析が必要なほど末期腎不全になることはなく、難聴も説明がつかない。
c Goodpasture症候群では主に、肺症状と腎症状がみられる。
d Treacher Collins症候群は顔面部の形成不全を呈する遺伝性疾患であるが、腎症状はない。
e von Recklinghausen病に特徴的なcafé au lait斑の所見がなく、考えにくい。

正答率:96%

テーマ:Alport症候群の診断

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