102A36

6か月の女児。下肢の皮疹を主訴に来院した。在胎40週、2,800gで出生した。出生時には下肢に水疱を多数認めたが、水疱は次第に軽減した。母親は流産歴が2回ある。下肢の写真を別に示す。
考えられるのはどれか。
色素失調症
結節性硬化症
神経線維腫症
尋常性天疱瘡
毛細血管拡張性失調症

解答: a

102A36の解説

乳児における下肢の皮疹。画像では水疱と、その跡と思われる色素沈着がまだらにみられる。母親に流産歴が2回あることから、遺伝性疾患を疑い、特に男児であれば致死的になるX染色体優性遺伝〈XD〉疾患を候補に挙げたい。色素失調症である。
a 正しい。色素失調症はAlport症候群と並び、XD疾患として重要である。
b 結節性硬化症では白斑をみる。水疱は出現しない。常染色体優性遺伝〈AD〉の形式をとる。
c 神経線維腫症ではcafé au lait斑をみる。常染色体優性遺伝〈AD〉の形式をとる。
d 尋常性天疱瘡でも水疱をみるが、乳児にはみられにくい。中高年に好発する。また下肢に限局はせず、口腔内粘膜疹など広い範囲での皮疹がみられる。
e 毛細血管拡張性失調症は常染色体劣性遺伝〈AR〉の形式をとる原発性免疫不全症。

正答率:65%

テーマ:色素失調症の診断

フォーラムへ投稿

関連トピック