102I58

45歳の男性。四肢筋力低下を主訴に来院した。1か月前から両上下肢の筋力が低下した。5年前から高血圧を指摘されていたが放置していた。1年前から労作時に脈が乱れることに気付いていた。意識は清明。身長176cm、体重82kg。体温36.4℃。脈拍84/分、不整。血圧172/104mmHg。収縮期駆出性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白2+、糖1+。血液所見:赤血球420万、Hb 16.0g/dL、Ht 46%、白血球5,200、血小板32万。血液生化学所見:空腹時血糖122mg/dL、HbA1c 6.1%(基準4.3~5.8)、総蛋白7.2g/dL、アルブミン5.1g/dL、尿素窒素18.0mg/dL、クレアチニン1.1mg/dL、尿酸8.5mg/dL、総コレステロール252mg/dL、トリグリセライド182mg/dL、総ビリルビン0.8mg/dL、AST 32U/L、ALT 22U/L、Na 145mEq/L、K 3.1mEq/L、Cl 104mEq/L、Ca 9.0mg/dL、P 3.0mg/dL、TSH 3.0μU/mL(基準0.2~4.0)、ACTH 32pg/mL(基準7~60)、FT3 3.5pg/mL(基準2.5~4.5)、FT4 1.8ng/dL(基準0.8~2.2)、コルチゾール10.1μg/dL(基準5.2~12.6)、アルドステロン16ng/dL(基準5~10)、血漿レニン活性〈PRA〉0.3ng/mL/時間(基準1.2~2.5)。腹部単純CTで右副腎に径1cmの腫瘤性病変を認める。
診断に必要な検査はどれか。
水負荷試験
T3抑制試験
CRH負荷試験
立位負荷試験
デキサメタゾン抑制試験

解答: d

102I58の解説

中年男性の四肢筋力低下。定石通り血中カリウムに目を移す。K3.1mEq/lと低値であり、周期性四肢麻痺。アルドステロン高値、レニン低値より原発性アルドステロン症を考えたい。腹部単純CTで右副腎に径1cmの腫瘤性病変を認めており、副腎腺腫由来のアルドステロン産生過剰と判定できる。
a 水負荷試験は一般に検査として行われない。
b T3抑制試験も一般に検査として行われない。
c CRH負荷試験はCushing病の検査。
d 正しい。立位(フロセミド)負荷試験は原発性アルドステロン症の検査。
e デキサメタゾン抑制試験はCushing病や単純性肥満の検査。

正答率:79%

テーマ:原発性アルドステロン症診断のための検査

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