102I50

67歳の男性。両側上肢に力が入らないことを主訴に来院した。半年前から両側上肢の脱力が進行性に増悪した。舌の萎縮・線維束攣縮と両側上肢の筋萎縮・筋力低下・深部腱反射減弱とを認める。下肢の深部腱反射は亢進し、両側のBabinski徴候が陽性。感覚障害や排尿障害を認めない。
診断的意義が最も高い検査はどれか。
筋生検
針筋電図
呼吸機能
脳脊髄液
神経伝導速度

解答: b

102I50の解説

高齢男性にみられた両上肢の脱力。舌の萎縮・線維束攣縮は球麻痺である。上肢の下位運動ニューロン障害と、下肢の上位運動ニューロン障害がみられている。感覚障害や排尿障害はなく、運動ニューロンのみの障害が考えやすい。筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉である。
a 筋生検は筋原性疾患に有用。
b 正しい。針筋電図にて神経原性変化であることを示す。
c 病態の進行に伴い、呼吸機能は低下する可能性が高いが、ALSの診断には無効。
d 脳脊髄液検査は髄膜炎などに有用。
e 病態の進行に伴い、神経伝導速度は低下する可能性が高いが、ALSの診断には無効。

正答率:59%

テーマ:筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉の検査

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