102G53

53歳の男性。倦怠感を主訴に来院した。10年前から肝障害を指摘されていたが放置していた。飲酒は日本酒5合/日を33年間。意識は清明。身長168cm、体重54kg。体温37.2℃。眼球結膜に黄染を認めない。前胸部にくも状血管腫を認める。下腿に浮腫を認める。右肋骨弓下に肝を5cm触知する。脾を触知しない。神経学的に異常はない。血液所見:赤血球380万、白血球2,800、血小板5万、PT 48%(基準80~120)。血液生化学所見:総蛋白5.8g/dL、アルブミン2.8g/dL、総コレステロール118mg/dL、総ビリルビン2.0mg/dL、AST 156U/L、ALT 72U/L、LD 480U/L(基準176~353)、ALP 480U/L(基準260以下)、γ-GTP 580U/L(基準8~50)。免疫学所見:HBs抗原陰性、HCV抗体陰性。
ICG試験(15分値)として予想されるのはどれか。
1%
3%
10%
30%
80%

解答: d

102G53の解説

10年前に肝障害を指摘されている53歳男性。前胸部にくも状血管腫を認め、肝腫大も認める。下肢浮腫も認めており、血液検査ではAST、ALTの上昇や汎血球減少、低アルブミン血症を呈していることから、アルコール性肝硬変の診断である。
a~c ともに正常値である。本症例は肝障害を有するため10%は超えていると予想する。
d 正しい。肝障害を呈しているため、30%が妥当。
e 80%の場合は肝不全を呈するはずであり、肝性脳症による意識障害を認めるなど重症であるはず。本症例の症状と合致しない。

正答率:82%

テーマ:ICG試験(15分値)として予想される値

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