102D53

14歳の男子。学校検尿で異常を指摘され来院した。昨年も同様の尿の異常を指摘され、他院で経過観察されていた。自覚症状はない。血圧126/74mmHg。眼瞼に浮腫を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白3+、沈渣に赤血球50~60/1視野。尿蛋白は安静臥位でも消失せず、この1年間ほぼ同じ所見である。血液所見と血液生化学所見とに異常を認めない。腎超音波検査所見も正常である。
対応として適切なのはどれか。
経過観察
食塩摂取量の制限
蛋白質摂取量の制限
抗血小板薬の投与
腎生検

解答: e

102D53の解説

昨年に引き続き学校検尿で異常を指摘された14歳の男子である。尿所見にて蛋白3+、沈渣に赤血球50~60/1視野と、蛋白尿と血尿とを認める。尿蛋白は安静臥位でも消失しないことから体位性蛋白尿は否定される。血液所見と血液生化学所見とに異常を認めず、腎超音波検査所見も正常であり自覚症状もないが、昨年も尿の異常を指摘されこの1年間ほぼ同じ所見であることから、IgA腎症などの慢性腎炎を疑い、今回は腎生検を行うべきである。
a 1年以上蛋白尿、血尿が続いているため経過観察とはしない。
b 食塩摂取量の制限は高血圧があるときに行う。
c 腎機能低下はなく蛋白質摂取量の制限は必要としない。
d 抗血小板薬などの薬物投与や治療は、診断がなされてからでも遅くはない。
e 正しい。上記の通り。

正答率:75%

テーマ:慢性腎炎疑い患者への対応

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