102D25

58歳の男性。1か月前からの胸痛を主訴に来院した。意識は清明。身長168cm、体重66kg。脈拍84/分、整。血圧142/36mmHg。胸骨左縁第3肋間に3/6度の拡張期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球420万、Hb 14.0g/dL、白血球6,800、血小板20万。血液生化学所見:総蛋白7.4g/dL、アルブミン4.0g/dL、尿素窒素15.0mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、AST 20U/L、ALT 15U/L。
必要な検査はどれか。2つ選べ
Holter心電図
心単純MRI
心血管造影
心エコー検査
心筋シンチグラフィ

解答: c,d

102D25の解説

1か月前からの胸痛を主訴とする58歳男性。胸骨左縁第3肋間に拡張期雑音を認めることから大動脈弁閉鎖不全症〈AR〉を考える。拡張期に大動脈から左室に逆流することで、冠血流量が低下する。このため胸痛が生じる。
a Holter心電図は不整脈の検出に有用である。
b 心単純MRIは心筋異常や冠動脈の形態の評価に用いるが、ARの診断には有用でない。
c 正しい。上行大動脈を造影し、左室内への造影剤の逆流量を評価する。
d 正しい。カラードプラ法を用いて弁逆流を評価する。
e 心筋シンチグラフィは虚血性心疾患の評価に用いる。胸痛を主訴としており虚血性心疾患を完全に否定はできないが、ARによる相対的虚血を強く疑うため、c・dを優先する。

正答率:57%

テーマ:大動脈弁閉鎖不全症〈AR〉の検査

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