102A60

生後3日の新生児。在胎25週、体重774gで出生した。Apgarスコア3点(1分)。出生後啼泣が弱く、直ちに挿管され、人工呼吸管理を受けている。体温37.8℃。心拍数180/分、整。チアノーゼは認めない。心尖拍動を認め、胸骨左縁第2肋間に2/6度の収縮期雑音を聴取する。胸部エックス線写真で心胸郭比は65%である。心エコー図を別に示す。
治療薬として適切なのはどれか。
インドメタシン
人工サーファクタント
デキサメタゾン
ドパミン
プロスタグランジンE1

解答: a

102A60の解説

生後3日の新生児。いきなり心エコー図へ目を向けると、下行大動脈から肺動脈へのシャント血流を同定でき、動脈管開存症の診断となる。在胎25週と早産であり、体重774gと超低出生体重児であるから、サーファクタント産生が少なく新生児呼吸窮迫症候群〈IRDS〉となったため、人工呼吸管理を受けているのであろう。同時に、PaO2も低下するため動脈管が開存したままであったと推測できる。しかし、胸骨左縁第2肋間に2/6度の収縮期雑音を聴取し連続性雑音ではないことから、動脈管は閉じかかっているということが分かる。
a 正しい。チアノーゼを認めていないことから動脈管非依存性であり、インドメタシンにて動脈管を閉鎖させる。
b 既に人工呼吸管理を受けており、人工サーファクタントは投与済みと考えるべきである。
c デキサメタゾンは副腎皮質ホルモンであり、動脈管とは関連がない。ちなみに、クッシング症候群が疑われた場合には抑制試験を行う。
d ドパミンは心不全の治療薬であり、本例の治療には有用ではない。
e プロスタグランジンE1は動脈管を開く作用があり、動脈管依存性疾患にて投与する。

正答率:62%

テーマ:動脈管開存症〈PDA〉の治療薬

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