102A49

42歳の男性。発熱と咳嗽とを主訴に来院した。約1か月前から咳嗽と喀痰とを自覚し、最近、高熱(40℃台)と息切れとが出現したため紹介入院となった。2か月間で体重が約4kg減少した。意識は清明。身長164cm、体重67kg。体温39.0℃。脈拍108/分、整。血圧100/54mmHg。心音に異常を認めない。胸部左側の呼吸音減弱を認める。血液所見:赤血球488万、Hb 13.1g/dL、Ht 39%、白血球13,200(好中球84%、好酸球2%、好塩基球1%、単球5%、リンパ球8%)、血小板44万。血液生化学所見:総蛋白6.0g/dL、アルブミン2.8g/dL、尿素窒素5.9mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、総ビリルビン0.3mg/dL、AST 57U/L、ALT 70U/L、LD 512U/L(基準176~353)。CRP 13.8mg/dL。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.46、PaO2 79Torr、PaCO2 36Torr、HCO3- 25mEq/L。胸部エックス線写真(A、B)と胸部単純CT(C、D)とを別に示す。
考えられるのはどれか。2つ選べ
肺腫瘍
肺膿瘍
縦隔腫瘍
肺動静脈瘻
胸膜中皮腫

解答: a,b

102A49の解説

発熱と咳嗽とを主訴とする42歳男性。約1か月前から咳嗽と喀痰とを自覚し、最近、高熱(40℃台)と息切れとを認める。血液所見では、白血球球上昇と、CRPが高値である。体重減少も認めており、炎症性疾患や悪性疾患を念頭に置く。胸部エックス線写真では左肺下葉に浸潤影を認める。胸部単純CTでは左肺の前方部に腫瘤陰影を認める。
a 正しい。悪性腫瘍でも炎症所見を認めることがある。
b 正しい。肺膿瘍では腫瘤影をみとめ、炎症所見も矛盾はしない。
c 縦隔腫瘍では炎症反応の上昇は認めず、また肺野の異常陰影をみないことから否定的。
d 肺動静脈瘻では炎症所見の著明な上昇を認めない。
e 胸膜中皮腫は胸膜疾患であり、肺野に腫瘤は認めないはず。また胸膜の肥厚像を認めるはずである。

正答率:69%

テーマ:肺腫瘍または肺膿瘍の診断

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