101H9

75歳の男性。肺炎のために7日前に入院し、抗菌薬で治療、軽快してきていたが、昨夜から下痢が始まった。排便回数5行/夜。便は淡黄色、水様性である。血液の混入はない。意識は清明。身長168cm、体重65kg。脈拍96/分、整。血圧112/80mmHg。皮膚はやや乾燥している。腹部は平坦で、圧痛、反跳痛および筋性防御は認めない。血液所見:赤血球414万、Hb14.5g/dL、Ht45%、白血球10,600。血清生化学所見:総蛋白6.5g/dL、アルブミン3.4g/dL、尿素窒素16mg/dL、クレアチニン1.1mg/dL。CRP3.0mg/dL。早朝の水様便の鏡検で、グラム陽性球菌が多数認められる。病室の状況を別に示す。
院内感染対策上、消毒の観点から注目すべき場所はどれか。2つ選べ

解答: c,d

101H9の解説

肺炎治療後に、下痢が始まった75歳の男性。便は淡黄色、水様性であり血液の混入はない。早朝の水様便の鏡検で、グラム陽性球菌が多数認められることから、肺炎治療後のMRSA腸炎を考える。MRSAの感染経路は接触感染であるため、院内感染対策上消毒の観点から注目すべき場所は、直接手指が触れる場所、ということになる。
a 院内生活や業務を行う上で①排気口に直接触れる場面は少ないであろう。
b・e ②病室側壁や⑤床へ積極的に手をつく状況は考えにくい。
c・d 正しい。③ドアノブや④ベッド柵は接触する機会が多く、感染対策をするべき箇所である。

正答率:90%

テーマ:MRSA腸炎に対する医師の消毒場所

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