101H3

10歳の女児。階段から転落したことを主訴に祖母と来院した。転落時の状況を本人に問うと、「よく分かりません。自分で落ちたと思います」と小声で返答する。祖母に問うと「最近、母親に反抗しているようです。母親はしつけに苦労してイライラしているようです」と不安そうに述べた。女児は母子家庭で育った。女児は非常に小柄で痩せており、表情に乏しい。右半身に打撲、頭部に血腫が認められる。他にも全身に古い打撲痕がいくつか認められる。
医師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ
祖母を児童相談所に相談に行かせる。
親に反抗しないように指導する。
母親から女児の現病歴を聞く。
祖母の話を信じて治療する。
児童相談所に通告する。

解答: c,e

101H3の解説

階段から転落した10歳の女児。転落時の状況確認に対し本人の返答は小声であり、祖母は母親の育児への不安があるようだ。女児は非常に小柄で痩せており、表情に乏しく、頭部や全身の新旧打撲痕からは児童虐待が疑われる。
a・d 祖母の会話内容より、実娘である母親を庇っている節があるため、治療は行うも信じることについては疑問が残る。児童相談所への相談も真実を述べない可能性があり、育児に悩んでいる母親が相談に行くべきである。
b 親への反抗を是正することは、児童虐待の根本的な解決とはならない。
c 正しい。まずは保護者である母親から、女児の現病歴などを聞く。児童虐待が疑われる場合は、病歴聴取時の対応も重要となる。
e 正しい。児童虐待が疑われる場合、児童相談所および福祉相談所に通告する。

正答率:68%

テーマ:児童虐待を疑った場合の医師の対応

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