101H14

6歳の女児。低身長を主訴に来院した。母親は運動・精神発達に問題を感じていなかったが、この1年間身長が増加していないことを幼稚園から指摘された。児は診察室では一言も話さず、椅子にじっと座っている。意識は清明。体温36.2℃。脈拍84/分、整。皮膚は乾燥しており、アトピー性皮膚炎を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや陥凹しており、肝・脾は触知しない。成長曲線を別に示す。
必要のない検査はどれか。
心理検査
頭部MRI
心エコー検査
甲状腺機能検査
下垂体機能検査

解答: c

101H14の解説

低身長を指摘されている6歳の女児である。成長曲線では身長が突然伸びなくなっていることが分かる。途中から身長が伸びなくなる疾患を考慮しながら、選択肢を吟味していく。
a 児が診察室にて一言も話さず椅子にじっと座っていることから、家庭環境や子育て不良による愛情遮断症候群が示唆され、それによって児のホルモンバランスの異常や摂食障害による低身長が考えられるため、心理検査は有用である。
b・e 下垂体機能低下による成長ホルモン分泌低下も考えられるため、精査として頭部MRIや下垂体機能検査は有用である。
c 誤り。心音を認めないことから先天性心疾患は考えにくく、仮に先天性心疾患であればもっと早期から症状や低身長が発現するはずである。
d 甲状腺機能低下による低身長を鑑別するために、甲状腺機能検査は必要。

正答率:62%

テーマ:低身長の鑑別に有用な検査

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