101H10

30歳の男性。高熱と意識障害とで搬入された。3月末まで1週間東南アジアを旅行していた。帰国5日目の昨日から頭痛と38℃台の高熱とが出現した。脳脊髄液検査で細胞増多と蛋白増加とを認め、血清で日本脳炎ウイルス特異的IgM抗体が陽性である。
直ちに行うのはどれか。
患者の隔離
居住区の消毒
保健所への届出
ワクチンの接種
抗ウイルス薬の投与

解答: c

101H10の解説

東南アジアから帰国後に頭痛と高熱とが出現し、高熱と意識障害とで搬入された30歳の男性。脳脊髄液検査で細胞増多と蛋白増加とを認め、血清で日本脳炎ウイルス特異的IgM抗体が陽性であることから、日本脳炎ウイルス感染が考えられる。
a 日本脳炎は蚊を媒介することで感染拡大するため、患者の隔離は不要である。
b 国外感染であり、感染を媒介する蚊が国内でも発生したとは考えにくいため、居住区の消毒は必要ない。
c 正しい。日本脳炎は4類感染症であり、感染症法に基づき、診断後直ちに最寄りの保健所長を経由して都道府県知事へ届け出る。
d 不活化ワクチンが存在するが、罹患後は無意味である。
e 日本脳炎に対する抗ウイルス薬は現在ない。

正答率:85%

テーマ:4類感染症に対する医師の対応

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