101G34

53歳の男性。全身倦怠感を主訴に来院した。6か月前の健康診断で白血球増加を指摘されたが放置していた。1か月前から倦怠感を感じるようになり、上腹部違和感も出現した。意識は清明。体温36.5℃。脈拍84/分、整。血圧136/76mmHg。表在リンパ節の腫大はない。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。左上腹部は軽度膨隆し、左肋骨弓下に脾を6cm触知する。血液所見:赤血球380万、Hb 10.8g/dL、Ht 33%、白血球56,000、血小板47万。血清生化学所見:総蛋白7.2g/dL、アルブミン4.0g/dL、尿素窒素16mg/dL、クレアチニン1.0mg/dL、尿酸8.6mg/dL、総コレステロール156mg/dL、総ビリルビン1.0mg/dL、AST 48U/L、ALT 321U/L、LD 380U/L(基準176~353)、Na 140mEq/L、K 4.8mEq/L。CRP 0.8mg/dL。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本を別に示す。
診断に有用な検査はどれか。2つ選べ
好中球アルカリホスファターゼスコア
細胞表面抗原
腰椎単純MRI
骨髄染色体
腹部造影CT

解答: a,d

101G34の解説

中年男性の全身倦怠感。巨大脾腫と白血球増加よりある程度診断は絞りこめるが、画像を見ないと最終決定は下せない。画像では白血病裂孔陰性の骨髄系芽球増加がみられる。血小板増加していることも合わせ、慢性骨髄性白血病〈CML〉の診断。
a 正しい。好中球アルカリホスファターゼ〈NAP〉スコアは低値を示す。
b 細胞表面抗原はリンパ系疾患の治療方針決定に有用。
c 腰椎単純MRIは病変の広がりを評価する際に有用。
d 正しい。骨髄染色体検査にてt(9;22)がみられる。
e 腹部造影CTもc同様、病変の広がりを評価する際に有用。

正答率:72%

テーマ:慢性骨髄性白血病〈CML〉の診断に有用な検査

フォーラムへ投稿

関連トピック