101G19

10歳の女児。運動中の失神を主訴に来院した。3か月前から動悸と息切れとを感じていた。意識は清明。チアノーゼは認めない。左前胸部が膨隆している。胸骨左縁第2肋間に収縮期クリックを聴取し、II音の分裂は狭く肺動脈成分は亢進している。同部位に拡張期漸減性雑音を聴取する。心電図は右室肥大を示す。胸部エックス線写真を別に示す。
考えられるのはどれか。
肺高血圧症
肺動脈弁狭窄症
三尖弁閉鎖不全症
僧帽弁逸脱症候群
大動脈弁閉鎖不全症

解答: a

101G19の解説

運動中の失神を主訴とする10歳女児。胸骨左縁第2肋間に収縮期クリックを聴取し、II音の分裂は狭く肺動脈成分は亢進していることから肺高血圧症が疑われる。心電図で右室肥大所見は肺高血圧症として矛盾しない。胸部エックス線写真では、肺動脈が中枢から末梢にかけて急速に細くなっていることも、肺高血圧症として矛盾しない所見である。
a 正しい。上述の通り。
b 肺動脈弁狭窄症ではII音の分裂は広くなるはず。
c 三尖弁閉鎖不全症では収縮期クリックは聴取しない。
d 僧帽弁逸脱症候群は収縮期クリックは聴取するものの、心尖部にて心雑音を聴取するはず。
e 大動脈弁閉鎖不全症では心電図で右室肥大ではなく、左室拡大を呈するはず。

正答率:62%

テーマ:肺高血圧症の診断

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