101D49

次の文を読み、49、50の問いに答えよ。
生後2時間の男児。手と足とにチアノーゼを認める。
現病歴:妊娠経過中、特に異常はなく、在胎40週、自然経腟分娩で出生した。Apgarスコア9点(1分)。分娩室から部屋に戻ったあと児の手足に軽度のチアノーゼがあることに母親が気付いた。
現 症:身長50.5cm、体重3,040g。直腸温36.8℃。呼吸数40/分。心拍数120/分。頭部は頭頂方向に長く変形し、骨縫合での骨重積がみられる。大泉門径1cm。軽度のチアノーゼを手と足とに認めるが、口唇には認めない。心雑音はなく、呼吸音も正常である。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を1cm触れる。左右とも精巣を触知しない。
検査所見:血液所見:赤血球560万、Hb 16.4g/dL、Ht 48%、白血球12,000。血清生化学所見:血糖70mg/dL、総ビリルビン2.6mg/dL、AST 36U/L、ALT 30U/L。
異常所見はどれか。
直腸温
呼吸数
心拍数
頭部変形
精巣触知不能

解答: e

101D49の解説

手と足とにチアノーゼを認める生後2時間の男児である。軽度のチアノーゼを手と足とに認めるが、口唇には認めないことから、新生児の生理的なチアノーゼであることが分かる。
a 直腸温36.8℃は平熱であり、異常とはいえない。
b 新生児の正常呼吸数は45/分前後であり、本例では正常範囲内である。
c 新生児の正常心拍数は150/分前後であり、120/分は正常低値ではあるも、異常とは言い切れず正解は譲る。
d 頭頂方向に長く変形し、骨縫合での骨重積がみられるのは正常新生児の所見であり、異常ではない。
e 正しい。左右とも精巣を触知しないのは明らかな異常であり、停留精巣が疑われる。

正答率:69%

テーマ:【長文1/2】新生児における異常所見

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