101D47

次の文を読み、47、48の問いに答えよ。
54歳の男性。意識障害を主訴に来院した。
現病歴:5年前に1型糖尿病と診断され、インスリン治療を開始した。1週前から38℃台の発熱と咽頭痛とがあり、2日前食欲低下と嘔気とを認めたためインスリン注射を自己中止した。今朝、意識がもうろうとしているところを家族に気付かれた。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識はJCS II-20。身長176cm、体重60kg。体温37.3℃。呼吸数30/分。脈拍92/分、整。血圧124/76mmHg。貧血と黄疸とを認めない。舌は乾燥している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾は触知しない。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖4+、ケトン体3+。血糖は簡易測定器で測定可能範囲を超える異常高値である。
検査で最も必要性が低いのはどれか。
血球
血糖
含窒素成分
脂質
電解質

解答: d

101D47の解説

1型糖尿病と診断されている患者の意識障害。尿糖4+、尿ケトン体3+、血糖異常高値より糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉だ。
a 感染があるため、白血球の評価はしたい。また、ヘマトクリットをみることで脱水の評価も可能。
b 当然ながら血糖の評価を行う。
c 含窒素成分とは尿素窒素〈BUN〉のことであろう。脱水の指標として有用。クレアチニンもセットで確認を。
d 誤り。脂質異常を伴っている可能性はあるも、DKAの病態自体とは関連しない。
e ナトリウムやカリウム、尿酸といった電解質の評価が重要。

正答率:78%

テーマ:【長文1/2】糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉の検査

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