101D41

次の文を読み、41、42の問いに答えよ。
42歳の男性。頻回の嘔吐を主訴に来院した。
現病歴:2か月前から食後に上腹部膨満感が出現し、1週前から時々嘔吐するようになった。上腹部に重圧感を自覚することもあり、一昨日から嘔吐が頻回になり、黒っぽい便が出ている。吐物は食物残渣のみで、血液の混入はない。
既往歴:28歳時、十二指腸潰瘍に罹患し服薬治療を受けていたが、再発を繰り返していた。
現 症:意識は清明。身長170cm、体重54kg。体温36.9℃。呼吸数12/分。脈拍124/分、整。血圧98/58mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、上腹部に圧痛を認める。腸雑音は正常である。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球242万、Hb 6.5g/dL、Ht 20%、血小板39万。血清生化学所見:総蛋白6.5g/dL、アルブミン3.8g/dL、尿素窒素42mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、AST 38U/L、ALT 33U/L、LD 360U/L(基準176~353)。
この患者の血清電解質で最も著しい異常がみられるのはどれか。
ナトリウム
カリウム
クロール
カルシウム
リン

解答: c

101D41の解説

黒色便があり、血圧低下と貧血を呈している。十二指腸潰瘍出血が最も疑われる。
a 頻回の嘔吐から脱水を疑う。脱水に伴いNaは軽度上昇する。
b 代謝性アルカローシスによってKは減少するが、cの方が著しく変化すると考える。
c 正しい。HClの喪失により著しく低下し、代謝性アルカローシスを呈する。
d・e 特に影響を及ぼさない。

正答率:71%

テーマ:【長文1/2】嘔吐に伴う血清電解質異常

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