101D21

8か月の乳児。発熱とけいれんとを主訴に来院した。午前中は元気で哺乳力も良好であったが、午後になって発熱に気付いた。その後、約3分続く全身のけいれんを認めた。発熱もけいれんも出生後初めてだという。意識は清明。身長72cm、体重8,600g。体温38.6℃。大泉門の膨隆は認めない。咽頭に軽度の発赤を認める。鼓膜に異常はない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部に異常を認めない。項部硬直とKernig徴候とはみられない。血液所見と血清生化学所見とに異常を認めない。
対応として適切なのはどれか。
輸液
経過観察
抗菌薬投与
抗けいれん薬投与
副腎皮質ステロイド薬投与

解答: b

101D21の解説

発熱とけいれんをみとめた8か月の乳児である。発熱の後に、約3分続く全身のけいれんを認めているも、発熱もけいれんも出生後初めてである。全身状態も良好であり、けいれん持続時間から熱性けいれんの診断となる。
a 脱水症状を認めておらず、輸液は不要。
b 正しい。熱性けいれんは再発率は約 30 %と高いが、てんかん発作へ移行したり、重篤な脳障害を残すことはないため、経過観察でよい。
c 発熱はあるも、血液所見にて異常がないことから細菌感染は否定的であり、抗菌薬投与は必要ない。
d けいれん持続時間が20分以下であり、反復もしていないため、複雑型てんかんではなく、抗けいれん薬投与は不適。
e 炎症症状もなく、発熱やけいれんの治療とはならない。

正答率:87%

テーマ:熱性けいれんへの対応

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