101A9

80歳の女性。視力低下を主訴に来院した。最近、身の回りのことができにくくなっている。視力は右眼0.08(0.1×-3.0D)、左眼0.07(0.2×-3.0D)。眼底に異常を認めない。散瞳薬点眼後の右眼の細隙灯顕微鏡写真を別に示す。左眼にも同様の所見がみられる。
対応として最も適切なのはどれか。
経過観察
硝子体切除術
ビタミンA内服
副腎皮質ステロイド薬点眼
水晶体超音波乳化吸引・眼内レンズ挿入術

解答: e

101A9の解説

両眼ともに視力低下を認めている。眼底には異常がなく、写真では皮質白内障を認める。身の回りのことができにくくなっているということであるが、完全にできなくなる前に手術をしたほうがよいだろう。高齢者の場合、白内障手術によって転倒や認知症の進行の割合が減るというデータがある。また、認知症が進みきってしまうと局所麻酔で安静を保てない危険性がある。
a 視力低下が進んでいるため手術の必要がある。
b 硝子体混濁や網膜病変に行う術式である。眼底に異常がないので誤り。
c ビタミンAが欠乏すると夜盲症となるが本症例では関係がない。
d 眼内に炎症がある場合に行う。
e 正しい。視力低下を認め、水晶体の混濁も進行しているため手術適応である。施設によるが矯正視力0.7を下回ると手術を勧めることが多い。

正答率:96%

テーマ:加齢性白内障の治療

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