101A47

46歳の男性。全身けいれんを発症し搬入された。3日前から頭痛と全身倦怠感とがあり仕事を休んでいた。本日起床後から意味不明なことを言うようになった。意識は傾眠傾向で、名前を呼ぶと開眼する。体温38.8℃。脈拍104/分、整。血圧136/64mmHg。脳脊髄液検査:初圧200mmH2O、細胞数60μL(基準0~2)(単核球優位)、蛋白120mg/dL(基準15~45)、糖70mg/dL(基準50~75)。血液所見:赤沈30mm/1時間、赤血球530万、白血球6,800。血清生化学所見に異常を認めない。CRP 1.8mg/dL。頭部CTで異常を認めない。翌日、呼びかけに反応しなくなり、撮影した頭部単純MRIの水抑制T2強調像〈FLAIR〉(A、B)を別に示す。
考えられるのはどれか。
くも膜下出血
細菌性髄膜炎
一酸化炭素中毒
単純ヘルペス脳炎
Wernicke脳症

解答: d

101A47の解説

中年男性の全身けいれん。前駆する感染があり、JCSで2桁の意識障害がみられている。脳脊髄液検査ではウイルス性髄膜炎に準ずる変化(糖が不変)がみられており、MRIでは側頭葉を中心とした高信号域が指摘可能。単純ヘルペス脳炎の診断。
a くも膜下出血ではくも膜下腔への出血をみる。本MRIのように大脳自体が変化することはない。
b 脳脊髄液検査より細菌性髄膜炎は否定的。
c 一酸化炭素中毒では淡蒼球に高信号域をみることがある。また、そもそも一酸化炭素に曝露された情報もなく、否定的。
d 正しい。上記の通り。
e Wernicke脳症では脳室周囲の高信号域をみる。また、眼球運動障害や歩行障害などをみる。

正答率:90%

テーマ:単純ヘルペス脳炎の診断

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