101A41

23歳の女性。無月経と乳汁漏出とを主訴に来院した。1年前から胃潰瘍に対しスルピリドを投与されている。6か月前から無月経となり、そのころから乳汁漏出もみられるようになった。身長163cm、体重48kg。身体所見と内診所見とに異常を認めない。血清生化学所見:LH 4.0mIU/mL(基準1.8~7.6)、FSH 10.5mIU/mL(基準5.2~14.4)、プロラクチン85.5ng/mL(基準15以下)。
対応として適切なのはどれか。
スルピリド中止
クロミフェン療法
ゴナドトロピン療法
ブロモクリプチン療法
GnRHアゴニスト療法

解答: a

101A41の解説

1年前から胃潰瘍に対しスルピリドを投与され、その後に無月経と乳汁漏出とを呈している23歳の女性である。プロラクチンは85.5ng/mlと高値であり、薬剤性高プロラクチン血症である。
a 正しい。原因となっているスルピリドを中止するべきである。
b 本例の無月経は高プロラクチン血症によるものであり、クロミフェンによる抗エストロゲン作用では対応できない。
c・e 本例の無月経は高プロラクチン血症によるものであり、ゴナドトロピンやGnRHアゴニストによっても排卵は起こらない。
d プロモプリプチンはドパミンアゴニストであり、視床下部性高プロラクチン血症の治療薬であるが、本例では薬剤性によるものであり適応とはならない。

正答率:83%

テーマ:薬剤性高プロラクチン血症への対応

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