101A14

45歳の男性。息切れを主訴に来院した。30歳ころから咳嗽、粘膿性痰および喘鳴を自覚していた。1年前から坂道と階段とでの息切れを自覚するようになった。小学生時から慢性副鼻腔炎があり、2回の手術歴がある。喫煙歴はない。
身長171cm、体重56kg。体温37.1℃。脈拍76/分、整。血圧112/74mmHg。手指に軽度のバチ指を認める。両側胸部に吸気時のcoarsecracklesと呼気時のwheezesとを聴取する。血液所見:赤沈37mm/1時間、白血球9,600。血清生化学所見:IgG1,850mg/dL(基準960~1,960)、IgA620mg/dL(基準110~410)、IgM280mg/dL(基準65~350)。免疫学所見:CRP8.3mg/dL、寒冷凝集反応512倍(基準128以下)。喀痰からムコイド型の緑膿菌が検出された。動脈血ガス分析(自発呼吸、roomair):pH 7.42、PaO2 64Torr、PaCO2 42Torr。胸部エックス線写真(A)と胸部単純CT(B)とを別に示す。
治療として適切なのはどれか。
シクロスポリン内服
エリスロマイシン内服
シクロホスファミド内服
副腎皮質ステロイド薬内服
副腎皮質ステロイド薬吸入

解答: b

101A14の解説

息切れを主訴とする45歳男性。小学生時から慢性副鼻腔炎があることから、気管支拡張症やびまん性汎細気管支炎などを想定する。胸部エックス線写真(A)では気管支壁の肥厚やびまん性に粒状影を認める。胸部単純CT(B)でも気管支壁の肥厚や小葉中心性に粒状陰影を認める。血液検査ではIgAが上昇しており、寒冷凝集反応も上昇していることから、びまん性汎細気管支炎を考える。
a シクロスポリンは臓器移植時の拒絶反応抑制のために用いる。
b 正しい。マクロライド系を少量持続投与する。
c シクロホスファミドは抗悪性腫瘍薬である。
d 副腎皮質ステロイド薬内服は重篤な気管支喘息などで用いる。
e 副腎皮質ステロイド薬吸入は気管支喘息などで用いる。

正答率:82%

テーマ:びまん性汎細気管支炎〈DPB〉の治療

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