101G57

45歳の男性。開口障害を主訴に来院した。10日前に農道をバイクで走行中、転倒した。右下腿に5cm程度の圧挫創を認め救急病院で縫合処置を受けた。抗菌薬を処方され、その後は自宅で加療していた。一昨日から舌がもつれ、開口障害と嚥下障害とが出現した。意識は清明。顔貌はやや苦悶様。右下腿の創汚染がみられる。
処置として適切でないのはどれか。
呼吸管理
血漿交換
デブリドマン
ペニシリンG静脈注射
抗破傷風ヒト免疫グロブリン静脈注射

解答: b

101G57の解説

45歳男性が開口障害を主訴に来院した。挫創を認めた後に開口障害と嚥下障害とが出現したことから破傷風を考える。破傷風菌は汚染された土壌に生息するため、農道で負傷したことはリスクとなる。また、数日後に神経症状が出現していることもこれに合致する。
a 開口障害から喉頭痙攣をおこし気管挿管となる可能性があるため、呼吸管理は重要である。
b 誤り。血漿交換を感染症で行うことは一般的ではない。
c 創汚染が認められるため洗浄する必要がある。
d 破傷風に対してはペニシリンGが有効である。
e 破傷風ワクチンは幼少期に接種していることが多いが、10年以上経過すると追加ワクチンを打つことが推奨されている。

正答率:65%

テーマ:破傷風への処置

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