101A57

4か月の乳児。10日前から続く咳を主訴に来院した。7日前に38℃台の発熱があったが2日間で解熱した。3日前から顔を真っ赤にする激しい咳と発汗とが著明になり、睡眠が障害されるようになった。食欲低下がみられる。体温36.6℃。脈拍96/分、整。血圧88/50mmHg。眼瞼腫脹がみられる。頸部に湿疹がみられる。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球450万、Hb13.0g/dL、白血球38,000(分葉核好中球12%、好酸球2%、リンパ球86%)、血小板19万。血清生化学所見:尿素窒素18mg/dL、AST 45U/L、ALT 30U/L、LD 300U/L(基準176~353)。CRP 0.8mg/dL。
治療薬として適切なのはどれか。
利尿薬
気管支拡張薬
抗ヒスタミン薬
副腎皮質ステロイド薬
マクロライド系抗菌薬

解答: e

101A57の解説

4か月の乳児が発熱後の咳を主訴に来院した。睡眠を障害するということは夜間咳嗽であり、顔を真っ赤にしてせき込むことから百日咳を疑う。白血球の割にCRPがほぼ上昇していないこともこれを裏付ける。
a 眼瞼の腫脹は激しい咳嗽のためであり、利尿薬は不要である。
b 呼吸音に異常を認めないので不要である。
c・d アレルギー性ではないので不要である。
e 正しい。百日咳にはマクロライド系抗菌薬が有効である。マクロライド系は小児にも使用可能である。

正答率:81%

テーマ:百日咳の治療薬

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