100I4

56歳の男性。耳鳴りを主訴に来院した。30年以上大型貨物船の機関員として勤務していた。結核と中耳炎との既往はない。脈拍76/分、整。血圧134/86mmHg。鼓膜は左右とも異常を認めず眼振はない。神経学的にも異常はない。血液所見、血清生化学所見および心電図に異常はない。オージオグラムを別に示す。
考えられるのはどれか。
正常な骨導聴力
老人性難聴
伝音性難聴
不可逆的な聴力障害
会話域の著しい聴力障害

解答: d

100I4の解説

大型貨物船の機関員で長い間騒音に曝露されていた可能性が高い。また、オージオグラムでは両側で4000Hz付近での聴力低下であるc5-dipを認めており、騒音性難聴の所見である。
a 明らかな閾値の上昇を認め、正常とは考えにくい。
b 老人性難聴では高度障害性の感音難聴を認めるが、オージオグラムでは8,000Hzの聴力はある程度保たれており、一致しない。
c オージオグラムより、感音難聴である。
d 正しい。不可逆性の内耳性難聴である。騒音の曝露が継続すると進行し、全音域で難聴となる。
e 会話域である500〜2,000Hzは保たれている。

正答率:88%

テーマ:騒音性難聴について

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