100H30

33歳の初産婦。妊娠30週。腹痛と少量の性器出血とを主訴に来院した。身長157cm、体重65kg。血圧120/80mmHg。子宮底長29cm、腹囲86cm。子宮壁の圧痛が認められる。下腿に浮腫はない。内診所見:頭位で先進児頭は固定していない。子宮口は閉鎖している。破水はない。尿蛋白(-)。血液所見:赤血球300万、Hb 8.5g/dL、白血球8,000、血清FDP 40μg/mL(基準10以下)。来院時の胎児心拍数陣痛図を別に示す。
適切な処置はどれか。
安静にする。
ラミナリア杆を挿入する。
オキシトシンを投与する。
人工破膜を行う。
帝王切開術を行う。

解答: e

100H30の解説

妊娠30週であり、腹痛と少量の性器出血を認める33歳の初産婦である。子宮壁の圧痛が認められることからは胎盤の異常が示唆される。赤血球300万、Hb 8.5g/dlと貧血があり、血清FDP 40μg/mlと凝固系が亢進している。胎児心拍数陣痛図では遅発一過性徐脈を呈している。
a 遅発一過性徐脈は経過観察にて改善されない。
b ラミナリア杆とは頸管成熟剤であり、胎児徐脈に対応できない。
c オキシトシンは子宮収縮薬であり、常位胎盤早期剥離が鑑別される本例では症状を悪化させる可能性があり、使用してはならない。
d 子宮口は閉鎖しており、人工破膜の適応とはならない。
e 正しい。遅発一過性徐脈に対し、帝王切開術を行う。

正答率:86%

テーマ:胎盤早期剥離の治療

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし