100F56

44歳の女性。2年前から手指のしびれ感と下肢の麻痺症状とが出現し、階段の昇降ができなくなり来院した。常用薬はない。身長160cm、体重48kg。脈拍76/分、整。血圧162/92mmHg。頸部に甲状腺を触知しない。両下肢に筋力低下を認める。尿所見:蛋白1+、糖(-)。血液所見:赤血球400万、Hb 13.7g/dL、Ht 39%、白血球4,200。血清生化学所見:総蛋白5.9g/dL、アルブミン3.9g/dL、総コレステロール167mg/dL、尿素窒素10.1mg/dL、クレアチニン0.4mg/dL、尿酸7.4mg/dL、Na 143mEq/L、K 2.7mEq/L、アルドステロン28.6ng/dL(基準5~10)、血漿レニン活性0.2ng/mL/時間(基準1.2~2.5)。
考えられるのはどれか。
Cushing症候群
原発性アルドステロン症
続発性アルドステロン症
褐色細胞腫
腎血管性高血圧

解答: b

100F56の解説

中年女性の手指のしびれ感と下肢の麻痺症状。K 2.7mEq/Lと低下していることより周期性四肢麻痺である。アルドステロン高値、レニン低値、より原発性アルドステロン症が考えやすい。
a Cushing症候群であれば肥満や白血球上昇をみる。
b 正しい。上記の通り。
c 続発性アルドステロン症であればレニンが高値となる。
d 褐色細胞腫であれば血清カリウムが変動しない。
e 腎血管性高血圧は続発性アルドステロン症の1つである。cに同じ。

正答率:97%

テーマ:原発性アルドステロン症の診断

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