100F54

68歳の男性。3か月前からの体重増加、全身倦怠感および浮腫を主訴に来院した。身長171cm、体重72kg。軽度の満月様顔貌、中心性肥満および両下肢の浮腫を認める。脈拍78/分、整。血圧162/106mmHg。尿所見:蛋白1+、糖(-)。血液所見:赤血球486万、Hb 15.3g/dL、Ht 46%、白血球8,000。血清生化学所見:総蛋白6.6g/dL、アルブミン4.0g/dL、総コレステロール259mg/dL、AST 29U/L、ALT 56U/L、LD 412U/L(基準176~353)、ALP 117U/L(基準260以下)、Na 149mEq/L、K 2.6mEq/L、ACTH 490pg/mL(基準60以下)、コルチゾール35μg/dL(基準5.2~12.6)、ガストリン2,600pg/mL(基準20~160)。頭部MRIで下垂体に異常所見を認めない。腹部造影CTで膵臓に数個の腫瘤、肝臓にも多血性の多発性腫瘤を認める。
この患者でみられるのはどれか。
血中デヒドロエピアンドロステロンサルフェート〈DHEAS〉濃度高値
CRH試験でACTH増加
メチラポン試験でACTH増加
デキサメサゾン抑制試験で(8mg/日、2日間)で尿中17-OHCS低下
副腎シンチグラフィで一側性の集積増加

解答: a

100F54の解説

高齢男性の3か月前からの体重増加、全身倦怠感および浮腫。満月様顔貌や中心性肥満といった記載からCushing症候群であることは容易に分かる。ガストリンが高値であり、腹部造影CTで膵臓に数個の腫瘤、肝臓にも多血性の多発性腫瘤を認めることからは異所性Cushing症候群を考える。
a 正しい。血中デヒドロエピアンドロステロンサルフェート〈DHEAS〉はアンドロゲンの前駆体である。副腎腺腫を除くCushing症候群では上昇する。
b〜d Cushing病についての記載。
e 副腎腺腫や副腎癌についての記載。

正答率:56%

テーマ:Cushing症候群の検査所見

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