100F51

68歳の男性。3か月前からの咳嗽を主訴に来院した。最近、喀痰に鮮血が混じることがある。喫煙40本/日を45年間。身長160cm、体重52kg。脈拍80/分、整。血圧128/72mmHg。血液所見:赤血球350万、Hb 11.0g/dL、Ht 33%、血小板32万。血清生化学所見:総蛋白6.2g/dL、アルブミン3.8g/dL、尿素窒素16mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、Na 124mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 88mEq/L、Ca 8.4mg/dL、TSH 0.6μU/mL(基準0.2~4.0)、コルチゾール8.7μg/dL(基準5.2~12.6)。胸部エックス線写真で右上肺野に腫瘤陰影を認める。
この患者で高値が予想されるのはどれか。
尿酸
尿浸透圧
血清浸透圧
血漿レニン活性
アルドステロン

解答: b

100F51の解説

高齢男性の3か月前からの血性咳嗽。肺結核または肺癌を考えたい(むろん、血管炎など細かな疾患を挙げだしたらキリはないが、優先順位をつけて鑑別していくスキルが重要となる)。喫煙歴があり、胸部エックス線写真で右上肺野に腫瘤陰影を認めることから肺癌であろう。この患者で低ナトリウム血症をきたしているため、ADH不適合分泌症候群〈SIADH〉が考えやすい。
a・c 血液は希釈する。
b 正しい。尿は濃縮する。
d・e レニン-アンジオテンシン系は抑制される。

正答率:68%

テーマ:ADH不適合分泌症候群〈SIADH〉でみられる所見

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