100F50

65歳の男性。筋力低下を主訴に来院した。1年前から上肢の筋がやせて筋力が低下してきた。5か月前から歩行に際して疲労が目立つようになり、階段を昇るのが困難となった。2か月前から言語が不明瞭になった。意識は清明。身長170cm、体重53kg。呼吸数26/分、整。舌の萎縮を認める。四肢に筋萎縮と中等度の筋力低下とを認める。上下肢ともに深部腱反射は亢進し、Babinski徴候は両側で陽性である。感覚は正常である。排尿障害はない。
病変部位として考えられるのはどれか。2つ選べ
黒質
舌下神経核
脊髄前角
脊髄側角
脊髄神経節

解答: b,c

100F50の解説

高齢男性の筋力低下。感覚は正常で、排尿障害はない。運動ニューロンのみ障害されている。舌の萎縮を認めるのは球麻痺であろう。筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉が考えやすい。
a 黒質は中脳に存在する。ALSでは中脳は一般に障害されない。
b 正しい。舌下神経核障害により球麻痺をみる。
c 正しい。脊髄前角障害により下位運動ニューロン症状をみる。
d 脊髄側角には自律神経が走行する。そのため、排尿障害など自律神経障害をみるはずである。
e 脊髄神経節からは感覚神経が入力する。そのため、感覚障害をみるはずである。

正答率:53%

テーマ:筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉の病変部位

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