100F38

5歳の男児。半年前から鼻出血を繰り返すため来院した。他部位に出血傾向は認めない。体温36.6℃。脈拍88/分、整。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常はない。心雑音はなく、呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触れない。血液所見:赤血球380万、Hb 10.4g/dL、白血球8,000、血小板15万、出血時間10分(基準7分以下)、プロトロンビン時間12秒(基準10~14)、APTT 56.4秒(基準対照32.2)、血小板粘着能に軽度の低下がみられる。
止血療法に最も適しているのはどれか。
第IX因子
第XIII因子
ビタミンK
フィブリノゲン
デスモプレシン〈DDAVP〉

解答: e

100F38の解説

5歳男児の反復性鼻出血。出血時間が延長していることから一次止血のトラブルがある(血小板粘着能に軽度の低下との記載が末尾にある)。PT正常、APTT延長より二次止血は内因系に限定してトラブルがある。以上より、von Willebrand病の診断。
a 第IX因子は血友病Bに投与する。
b 第XIII因子が欠乏する病態としてはIgA血管炎〈Schönlein-Henoch紫斑病〉を押さえておく。
c ビタミンK欠乏症にて投与する。
d フィブリノゲンは第I因子。
e 正しい。デスモプレシン〈DDAVP〉は血管内皮細胞由来のvon Willebrand因子産生を促進する。

正答率:65%

テーマ:von Willebrand病の止血療法

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